
女の子の成長を祝う節句行事であるひな祭り。
そのシンボルとも言える雛人形ですが、7段飾りや5段飾り・ケース入りの親王飾りなどサイズはさまざまですがどれも結構な場所を取りますよね。
初めて女の子が生まれた時にはお祝いとして用意したりしてもらったりだったと思いますが、2人目に生まれた子も女の子だった場合はどうすれば良いのでしょうか?
雛人形は1人1つが基本だとも言われていますが、田舎で広い家があるというわけでも無ければ普通の家じゃ雛人形を2つ飾るというのは難しいですよね。
このような場合次女にはどうしてあげれば良いのでしょうか?
雛人形の代わりに市松人形を飾るというのも聞いたことがあるかもしれませんが、雛人形の代わりに飾るのは問題ないのでしょうか?
また、どうして市松人形を代わりに飾るという話があるのか?その意味は?
これらの疑問について今回は書いていきたいと思います。
初節句に関するまとめはこちら
雛人形は次の場合はどうすれば良い?
古くからの風習では雛人形は子供に降り掛かる厄を人形に移して川に流す流し雛という行事が由来の一つと云われています。
この事から雛人形は子供の厄を代わりに引き受ける身代わり人形というように云われています。
雛人形やひな祭りの由来についてはこちらの記事で詳しく書いています。
ひな祭りの意味と由来は?雛人形はいつから飾る?片づける時期は?
雛人形の人形の名前と飾る意味
ですので雛人形は自身の分身であり、1人1つが基本となっているのです。
これらの由来を考えると、今手元にある雛人形は長女の厄を引き受ける身代わりである為、次女へは次女の為の雛人形が必要という事になります。
しかし現代日本のしかも少し都会の方の家だと、雛飾りを2セットも飾れる家庭なんて余程裕福な家庭以外はほぼ無いのではないでしょうか?
もちろん無理をすれば飾れる家庭もあるでしょうが、そうまでして雛人形を2セット用意しないといけないのでしょうか?
これについては正解がありません。
親御さん・夫側の祖父母・妻側の祖父母の考え方次第で変わります。
この中の誰かが『雛人形は1人ずつに無いとダメだ』と言うのであれば、用意しないとその方にとっては不満になるでしょう。
みんなが所詮は風習であり、本当に大事なのはその子への気持ちだと思うのであれば、2セット用意する必要は無いという事になります。
地域にも寄りますが、基本的には家に雛人形は1つというご家庭も多いですのであまり気にしすぎる必要も無いのではないかと思います。
長女の時に購入した雛人形に名前旗や名入れした木札やオルゴールがあるのでしたら、次女の時も同じように名入れした小物を用意してあげると良いのではないかと思います。
雛人形は長女・次女で共用とし、その他の小物をそれぞれの子供の分を揃えるというようにすると良いのではないでしょうか。
そして子供たちには『この雛人形は貴女たち2人のものだから2人で大事にしてね』と伝えると良いと思います。
しかし住んでいる地域の習慣で姉妹だと女の子の人数だけ雛人形を用意したりするような場合は、二人目の女の子にとっては自分の人形が無いと拗ねたり機嫌が悪くなってしまう原因になってしまうかもしれません。
このような場合はどうすれば良いのでしょうか?
この場合にはいくつか方法があります。
- 雛人形をもう1セット購入する
但し長女とサイズが違うなどすると、次女としては面白くないと感じる場合もあります - 小さい親王飾りを購入し、長女のものと一緒に飾る
長女の雛人形が段飾りであれば、上段に2組の内裏雛を並べるようにすると良い - 市松人形を購入して飾る
長女のものと違うと言う可能性もあるが、貴女だけの特別な人形だと伝えるのがポイント
このようにいくつか方法はありますので、一番自分の家庭に合っていると思うものを用意してあげると良いのでは無いかと思います。
しかし個人的には長女・次女の為の小物をそれぞれ用意して、雛飾りは共有するというのが一番なのではないかと思います。
(2セット飾れるスペースが無い家に住んでいるからそう感じるのかもしれません・・・)
ただ雛人形を飾る準備も片づけるのも保管するのも大変な作業です。
それを2セットとなるとお母さんの負担も大きくなるので、出来るだけ1セットのみの方が楽が出来るのではないでしょうか(笑)
雛人形の代わりに市松人形を飾るのに意味はある?
前項でも少し触れましたが、雛人形の代わりに市松人形を次女の為に準備するのにはどんな意味があるのでしょうか?
地域によっては長女は雛人形で、後の次女・三女と市松人形を贈る習慣があったりします。
このように市松人形を準備する背景には、やはり雛人形を一家に何セットも用意出来ないという事があります。
そもそも市松人形とは江戸時代に活躍した歌舞伎役者【佐野川市松】をモデルに作られた人形であり、佐野川市松は女性に大人気の美貌をもった方だったようです。
市松人形を贈り飾る事には佐野川市松のように綺麗な子に育ってほしいという願いが籠っています。
それがいつしか雛人形と並んで飾るお出迎え人形として、夫側の実家から贈られるものとして定着していきました。
そしてこの市松人形にも雛人形と同じように、子供の厄を代わりに引き受ける身代わり人形としての意味合いも持つようになったと云われています。
ですので、市松人形を次女の為に用意し飾るのも雛人形を飾る事と同じ意味合いがあります。
そして雛人形と並べて飾る事に違和感も無く、雛人形のようにサイズが大きいわけでも無いので次女や三女への贈り物として重宝されているのですね。
しかし、市松人形は人によっては『怖い』『不気味』『苦手』とマイナスイメージを持つ事もあります。
これは怪談で髪の伸びる人形として市松人形が登場する為です。
この怪談は誤解であり、昔の市松人形は作りが悪く髪を固定している糊がはがれてきてその部分だけ長さが変わったように見えるというのが原因だったのです。
しかし一度ついたマイナスイメージは中々払拭はされないのか、いまだに苦手イメージを持っている方も多く見られますので、親御さんが苦手なのであれば無理に市松人形を用意する必要も無いかと思われます。
その場合は前項で書いた他の方法で次女をお祝いしてあげると良いのではないでしょうか。
まとめ
どうしても長女と次女では手のかけ方が変わってきますよね。
長女には新しいものを用意し、次女は姉のお下がりを与える。まだ使えるものだから勿体ないという気持ちも大人になったら理解出来るのですが、幼いうちはやっぱり不満も溜まるという事は良く聞く話です。
ですのでこういうお祝いくらいはちゃんと平等に扱ってあげたいと思うでしょうが、雛人形も安いものではありませんし、スペースも必要だとなると2セット用意するのも悩みますよね。
しかし1つの雛人形を姉妹仲良く大事にするように教えるか、1人1人にちゃんと雛人形を用意するかはご家庭の考え方次第です。
あとで『あ~ちゃんとしてあげれば良かったなぁ』と親御さんが後悔しない選択をするようにしてください。
ひな祭りと定番料理の意味や由来と雛人形の名前や飾る時期に処分方法まで【まとめ】