
『春』『桃』『女の子』とひな祭りのイメージカラーというものがあれば10人中9人は『ピンク』だと答えるのではないでしょうか?
ひな祭りに食べるものとして定着している桜餅ですが、これもそのイメージを後押しする一つになっているかもしれません。
では、この桜餅はなぜひな祭りに食べるものとして定着しているのでしょうか?
ひな祭りに食べる定番の飲食物は他にもちらし寿司やハマグリのお吸い物、雛あられなど色々あります。
そしてそれぞれに由来があったり理由があったりします。
これらについては別記事にまとめています。
上記のひな祭り定番メニューのように桜餅にも何か意味するところがあるのか無いのか?
これを今回は書いていこうと思います。
また桜餅と聞いて思い浮かぶものって実は関東と関西の人で違います。
意外でしたか?知っている人は知っているけど・・・というネタですね!
私も調べてみるまで知りませんでした(笑)
この違いについても併せて書いていきたいと思います。
ひな祭りの時期が近くなると桜餅を見かける機会が増えますよね。
桜餅そのものは1年中見かける物ですが、この時期はやっぱり定番のものだからか店側がプッシュしていますね。
では、何故ひな祭りには桜餅を食べるようになったのでしょうか?
実は桜餅をひな祭りに食べるという事には理由も由来もありません。
何か縁起の良い意味合いが込められているのかというとそういう訳でもありません。
何も理由が無いのになぜひな祭りに食べられるようになっているのでしょうか?
これにはいくつかの説があります。
- ひな祭り=桃の節句=ピンク=桜色という事で桜餅が食べられるようになったとされる説
- 桜餅は春を感じさせる和菓子であり、女の子が主役であるこの日には見た目もきれいでとても良く合うお菓子ですね。
- 端午の節句には柏餅を食べる風習があるので、それと対となるように春らしい桜餅が食べられるようになったとされる説
- 端午の節句が男の子のお祝い行事ですので、女の子のお祝い行事である桃の節句にも同じようなものがあった方が良いとなったのでしょうね。
- ひし餅があまり美味しいものではないため、代わりに春らしい和菓子として桜餅が食べられるようになったとされる説
- 言っては悪いですが確かにひし餅はあまり美味しくはありませんが、プラスチック製の飾る為だけのひし餅なども良く見かけます。
しかも最近では消費量も減っているようです。
これらはどれもそれらしい理由がありますので、どれかが正しいというよりもどれもが理由になっているのではないかと感じます。
どんな理由があったにしろ、桜餅には特別な由来などなく春らしく女の子のお祝いによく合うというのが食べられている理由のようですね。
桜餅の関東と関西の違いってどんなもの?
鮮やかなピンクの色彩で見た目にも可愛らしく、ひな祭りでは定番となった桜餅。
この桜餅には関東風と関西風と呼ばれる2種類があります。
この2種類の違いはどんなものなのでしょうか?
関東風と関西風の特徴
まずは関東風の桜餅の特徴からご紹介していきます。
- 生地が小麦粉から作られており、薄く延ばして餡を包む。
- 生地を2つ折りにして餡を挟むのが基本的だが、包んで筒状にするものもある。
- 葉は生地から剥がしやすくなっている為、基本的には葉を剥がしてその際の香りを楽しみながら食べる。
次に関西風の特徴の紹介です。 - 道明寺粉と呼ばれるもち米を粗く挽いたもので作られている。
- 粘りと弾力がありつぶつぶとした食感が特徴的なおはぎに近いもの。
- 形は基本的に丸型。
- 粘り気があり葉は剥がしにくくなっている為、そのまま食べるのが主流。
- スポンサーリンクこのように関東風と関西風の桜餅は見た目から別物です。
長命寺と道明寺の発祥
桜餅は、関東風のものを『長命寺』関西風のものを『道明寺』と呼び分ける場合もあります。
この他にも『江戸風』『上方風』とも呼ばれています。
この別名は発祥の地や使われている素材から呼び分けられるようになりました。
当時長命寺で門番をしていた山本新六という方が桜の時期に落ち葉の掃除をしていると、ふと塩漬けにしてみようと桜の葉を塩漬けにしたのが始まりだと云われています。
これが江戸の長命寺門前で今も続く有名老舗和菓子店『長命寺山本や』の始まりで、初めて桜餅を売り出した所と云われています。
このように江戸で生まれたため『江戸風』とも呼ばれるようです。
大阪の道明寺で作られた道明寺粉と呼ばれる『もち米を水に浸してから蒸し上げ、乾燥させた後に粗く挽いたもの』が原料となっています。
これは江戸から桜餅が伝わる間に小麦粉からこの道明寺粉へと原料が変わったのだとされています。
そしてこの道明寺粉が原料となっていますが、桜餅を製造していたのは京都であったため『上方風』とも呼ばれるようです。
このように桜餅の歴史から見ると関東風と関西風の桜餅が生まれるまでには100年程の隔たりがありました。
しかし、それぞれの発祥の地が異なる事から関西では桜餅といえば『道明寺』で、関東では桜餅といえば『長命寺』という風に認識に違いが生まれています。
また、道明寺風桜餅は関西に偏っているものの関東でも見ることが出来ますが、長命寺桜餅を関西で見る事は殆どないようです。
ちなみに関東関西以外では、関東甲信越が殆ど長命寺風であるにも関わらず新潟のみが道明寺風であったり、北海道が道明寺風であったりと当時の貿易状況の影響を色濃く受けているようです。
桜餅の違いのくくりはあくまで関東関西のみであって、西日本東日本といった分け方がされているものではありません。
桜餅の葉は食べるもの?
桜餅といえばもちろん桜の葉が巻かれていますよね。
勘違いされている方もいらっしゃいますが、桜餅の名前は色味が桜色だからではありません。
桜の葉を巻いているから桜餅と呼ばれているのです。
この桜餅の葉は食べる方と食べない方とで分かれますよね。
本来は食べるべきなのかどうかどちらなのでしょう。
まずは桜餅に桜の葉が巻かれている理由を説明していきます。
- 桜の葉は塩漬けされており、甘さとしょっぱさを楽しめるようにため。塩漬けした桜の葉を巻くことで最後まで飽きない味を楽しむことができる。
- 塩漬けした葉で乾燥を防ぐため。
- 桜の葉の香りを楽しむため。目と舌だけでなく鼻でも楽しむことができる。
このような理由から、桜餅には塩漬けした桜の葉が巻かれています。
そして桜餅といえばあの独特の香りが特徴的ですよね。
あの香りがなければ桜餅じゃない!と断言してしまえます。
あの香りは桜の葉を塩漬けにする過程で生成される『クマリン』という可愛らしい名前の成分のおかげなのです。
しかし、このクマリンというものには肝毒性があるとされています。
『毒があるの!?じゃあ食べたらダメなんじゃ!』と思われるかと思いますが、落ち着いてください。
確かに肝毒性があると言われていますが、悪影響がでるのは長期にわたって過剰摂取した場合のことです。
桜餅を数個食べた程度では何の問題もありません。
現に身近に食べている食材にも『クマリン』は含まれています。
例えば『パセリ』『にんじん』『桃』『グレープフルーツ』『ミカン』などにも含まれる成分なのです。
これらを食べて今まで肝機能が弱った方はそうそういないと思います。
またクマリンには良い効能もあります。
- 血行改善
- むくみの解消
- 抗菌効果
- リラックス効果
このような効果もあるとされています。
しかし肝毒性があるため香料など食品添加物として使うことは認められていません。
これらを踏まえて桜餅の葉を食べる食べないは当人の自由です。
食べるか食べないかを強制するものはありませんし、和菓子の職人の方でも食べる食べないは意見が割れるようです。
ですので、ご自分が美味しくいただける方を選ぶのが一番ですね!
まとめ
ひな祭りには桜餅と定着している和菓子ですが、実はひな祭りとは何も関係が無いものだったんですね。
しかし、あの見た目はやはり春らしさを感じれるためピッタリだと思います。
そしてその桜餅に実は2種類あったとは驚きました。
私は関西風しか食べたことがないため、今度関東風を食べてみたいと思います!
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